オフショア開発はなぜ失敗したのか?その問題分析から課題解決を目指して

■オフショア開発だけが燃えているのか?

オフショア開発は失敗するという「IT業界の俗説」があります。過去のオフショアブームの中で、数多くの企業がオフショア開発に挑んできました。しかし、その挑戦は世界の壁に何度となく阻まれることになります。

オフショア開発はダメだ、そうした声はあちこちで聞こえます。けれども「オフショア開発はダメだとしても、海外における開発活動まで完全に止めてしまうのですか?」と聞かれれば、国内だけでずっとやっていける確証も持ちにくいのではないでしょうか。

なぜオフショア開発は失敗したのでしょう。すぐに大量の失敗要素が思い浮かんだとしても、ちょっと待って下さい!オフショア開発がなぜ失敗したのか、を考えるためには「その案件は、国内限定だったら成功したのか」「自社で全部やれば、問題は全く起こらなかったのか」まで考える必要があります。つまり「何の問題なのか」を紐解くことが第一歩なのです。燃える案件は世界中どこでも燃えます!

 

■オフショア開発×エンジニア単価のマジック!

日本でオフショア開発と言えば「新興国でのオフショア開発」を指します。どうして新興国に開発委託したのでしょうか。手の届く範囲で進めたほうが何かとスムーズですし、特別な理由なく異国の地までプロジェクトを運ぶことはなかったでしょう。日本国内で技術的に出来ないことを海外に委託したわけではありません。

オフショア開発のメリットとして、最も喧伝されているのは「人件費の安さ(エンジニア単価)」です。たとえば、ベトナム人のプログラマ単価は約20万ですので、国内比で3分の1程度になります。エンジニア単価を3分の1にすることでコスト構造を変えましょう!という話ですね。しかし実際には、人件費が下がってコスト構造を変革できたという話はあまり聞きません。

エンジニア単価だけに注目していると痛い目をみます。オフショア開発では、国内開発にはない間接コストが多数発生します。現地人材は日本的な開発スタイルに慣れておらず、文化・言語の違いもあるため、人件費は確かに安いけれど、膨大なコミュニケーションコストが発生してしまったり、大きな手戻りが発生してしたりすると全然ペイしない、むしろコスト高!ということも全然ありえるのです。

 

■それは日本でやったら失敗しなかったのか?

オフショア開発に関するボヤキとしては「安いけれど、クオリティが出ない」「エンジニアのレベルが予想以上に低い」「プロジェクトマネジメントが全く効かず、オンスケで進められない」「言ったものと違うものがあがってくる」「やると言ったことをやっていない」などです。よくありますよね!と同意したい気持ちを抑えて、あらためて冷静になって考えてみますと、どれもオフショアに限った話ではありません。

本記事の冒頭で「それが何の問題なのか?」と書きました。一概には言えないものの、開発プロジェクトが燃える原因の多くが「上流工程(定義/設計)とエンジニア伝達上の不備」や「マネジメント不足やリソース不足」だと言われています。もちろん「オフショア開発だから…」ということも存在しますが、それ以外の要素でも「オフショア開発だから…」に入れ込まれて語られる失敗談が多すぎる印象です。

 

■アウトソーシング×オフショア問題の二重苦!

失敗した事例を見ていると、そもそも「丸投げ」であることが少なくありません。丸投げによる管理不足は、オフショア開発を間違いなく失敗プロジェクト化させます。それは国内の開発委託でも同じでしょう。オフショアでは「現地との綿密なコミュニケーションがすべて」と言ってもいいほどです(※開発委託の場合はパートナー選定を間違えないことは大前提として)。

もともと日本的企業はアウトソーシングスキルが低く、日本人は異文化適応力が高くないため、オフショア開発を不得意としているのかもしれません。アウトソーシングはその性質としてブラックボックス化しやすく、不確定要素が多い海外であれば尚更ブラックボックス化します。文脈を合わせる努力のいるオフショア環境に対応しきらず、コミュニケーションのズレを生んだ部分もあるでしょう。日本人が外国人を理解しにくいように、外国人も日本人を理解しにくいのです。

いわば、従来のオフショア開発(海外開発委託)は「アウトソーシング」と「オフショア」の二重問題であったと言えるかもしれません。各社で事情は異なるところかと思われますが、「アウトソーシング課題」に併せて「オフショア課題」に取り組んだことで、開発プロジェクトの難易度が上がりすぎてしまったという事象は、当たらずとも遠からずではないでしょうか。

 

■オフショア開発の課題解決に向けて

もしアウトソーシング課題とオフショア課題を同時に解決すること難しいようであれば、どうすれば良いのでしょうか。よほどアウトソーシング慣れしていて、遠隔での海外対応に優れた人材や仕組みが整っている企業以外は、正面からぶつかるのは厳しいかもしれません。

アウトソーシングの問題点は、ブラックボックス化しやすいという性質であり、課題として自分たちが高いコミットメントで臨み、自社主導による海外開発活動を実践する必要があります。イニシアティブを取りやすいオフショア開発とはどのような形態なのでしょうか。従来の請負型ですと、どうしても受発注の関係が際立ってしまい、協同作業していくことが難しくなってしまいます(もし可能な限り任せたいという場合を除く)。そこで「ラボ型開発」という形態でブラックボックス化を解消し、イニシアティブを積極的にとる対応策を推奨したいと思います。

次にオフショアの問題点として、遠隔・遠距離でのコミュニケーションがあります。異文化に即時適応するためにも、自ら現地に乗り込んでいって、現地エンジニアと対面でチームビルディングをおこない、プロジェクトマネジメントの絆を創ることが対応策になると感じています。この点でもラボ型開発であれば、特定のエンジニアがアサインされており、直接コミュニケーションも可能です。加えて大事なところですが、現地メンバーと膝を突き合わせるために「日本人駐在員の現地常駐」に対応してくれるラボ型開発の現地パートナーを選ばれると良いでしょう。

 

■まとめ

今回は、従来のオフショア開発の問題が、アウトソーシングとオフショアのそれぞれに起因するという考えのもと、自社主導の海外開発活動を実践するために、「日本人駐在員向け常駐対応のラボ型開発」をソリューション例としてご紹介しました。

もちろん、全ての日本企業がこのアプローチをとれるわけではありません。国内側の開発マネジメントが整っていない状態では、当該アプローチの実践が難しいため、まず国内開発体制を強化してからオフショア開発に臨んでいただくか、国内で良いアウトソーシングパートナーを見つけていただけると良いでしょう。

※ラボ型開発にご興味のある方は「ラボ型開発のメリットデメリット大分析!」も併せてご覧ください!

 

NEOLAB(ネオラボ)では、ラボ型開発サービスをご提供しています。自社の海外開発チームをつくりたい!自社主導でオフショア開発をしたい!という方向性から「オフショア開発」をご検討されている方は、是非ご相談ください!!