クラウドソーシング過渡期のいま本当に大切したいこと(1ユーザーのつぶやき)

NeoLaBox(ネオラボックス)は、人材関連からオフショア開発、東南アジアを幅広く取り上げているメディアです。今回は昨今話題の「クラウドソーシング」にスポットライトを当てていきます。

私事ですが、週末に「テープ起こし」を某クラウドソーシングサービスで依頼しました。自分自身で書き起こすべきか正直迷いましたが、このような作業は慣れておらず、ボリューム感もありましたので、どれだけ時間がかかるか分かりません。

それよりはテープ起こしの「専門家」にお願いしたほうが、全体コスト的にも良いだろうと考えてクラウドソーシングすることにしました。そう思い立ってから依頼完了まで1時間かかりませんでした。納品も2日後、あとは待つだけ。このスピード感はやはり魅力です。

さて「クラウドソーシングとは何か」という基本的な部分は、既にご存知の方も多いかと思います。そこで今回は、1ユーザーの視点から「いま、クラウドソーシングで何が大切にされるべきか?」について思考を巡らせていきます。

 

■クラウドソーシングで「安心・安全」に勝るものなし

私はクラウドソーシングサービスを利用する中で、多くの人たちと一緒にオンラインで働く機会を得ました。

仕事をお願いすることもありましたし、仕事をお受けすることもありました。オンラインながらにして、そこにはさまざまな人生模様が見え隠れし、たまに嬉しくなるような出会いが生まれることもありました。

ただ、上手くいったプロジェクトばかりでなかったことも事実です。「本当に伝わっているかな?」「このまま進めてしまっても大丈夫?」「期限に間に合わせられるのかな?」「それ早く言ってよ!?」等々、不安の多重構造に心をすり減らしたことも一度ではありません。

そうした自身の原体験を見つめ返すと、やはりクラウドソーシングの原点は「安心・安全(の追求)」であり、他課題が多く積まれていることも承知の上で、この瞬間において何よりも大切にされるべきだと思うのです。

 

■オンラインワーキングの心理的ハードルは高い

ハイコンテキスト文化を持つ日本人にとって「オンラインワーキング」という働き方は、受発注側の双方が根本的に慣れていない行動様式であり、結果として非常に高い心理的ハードルをもたらしているように思われます。

一方、米国やオーストラリアであれば、国土が広大であることによる地理的な制約や、ローコンテキスト文化上での仕事の定義・進め方によって、オンラインワーキング(オンライン環境で働くこと)がしやすい環境が整えられていると言えるでしょう。

クラウドソーシングの基本は「非対面性」から始まります。非対面でプロジェクト・受発注コミュニケーションを進めるにあたり、まず「オンライン環境で一緒に仕事できそうな人を選べること」から始まり、「仕事をプロセス化できること」「作業を詳細定義できること」が挙げられます。

そして「ドキュメンテーションで構造的に伝えること」や「ライティングで正確に伝えること」を加えた複数のスキルが総合的に必要です。ここでは、アウトソーシングの課題の上に、クラウドソーシングの課題が折り重なっているのです。

 

■オンラインだからこそ、気持ちよく働きたい!

クラウドソーシングユーザーとして場数を踏むたびにスマートになるものですが、そうは言っても不安なことに変わりはありません。それは受注側でも発注側でも同じことです。慣れているユーザーでも緊張していますので、新規登録の方であれば尚更です。

はじめての仕事をお願いする際には、誰にお願いしようかを本当に悩みます。同内容・同依頼先について、二度目の依頼からは気楽になってきますし、コミュニケーションコストもどんどん下がってくるのですが、新規の場合は不特定要素が多い中で決断することになります。

ひとつ言えることは【みんな、気持ちよく働きたい】ということです。働く目的は様々で、生計を立てるために仕事をする意味合いも強くありますが、「気持ちよく働く」ということは万人の望むことではないでしょうか。衣食住足りれば、この欲求はより一層大きなものとなります。

 

■クラウドソーシングを文化レベルへ

人口減少、少子高齢化、経済停滞が重なり得る、既に訪れている未来。

特に生産年齢人口が大幅に減少してしまう見込みの中で、国内においては、顕在労働力の維持と潜在労働力の顕在化、場合により仕事機会の再配分を行うことが求められ、海外拠点設立(現地法人化やオフショア開発など)から海外人材起用を推し進めていくことも重要とされます。

働き方の多様化、企業と個人の関係性再構築に向けて、日本のクラウドソーシングが今後どのように「安心・安全」を気遣いながら、文化レベルに駆け上がっていけるのか、今後もクラウドソーシングの文化開発に1ユーザーとして注目していきます。

あなたは、クラウドソーシングが「日本の文化」になれると思いますか。

 

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