【徹底解説】人材調達戦略のパラダイムシフト(第3弾):海外内製化スキームの新たな幕開け

本シリーズ「人材調達戦略のパラダイムシフト」では、第一弾で「オープン化する世界」、第二弾で「アウトソーシング」を見てきました。最終回となる今回は、Webニーズ活況時代における開発の内製化トレンドに加えて、グローバル規模での組織構築まで視野を広げながら締めくくります。

 

■Webニーズ増加と開発内製化トレンド

日本社会が「人口減少×超高齢化×少子化」の対策に待ったなしである一方、国内のWebニーズ(Webサービス・スマートフォンアプリ等)は順調に増え続けています。

Webニーズの上昇に対し、リーンスタートアップに見られるような「小さく産んで、大きく育てる。」に切り替えるべく、多くの企業が内製化方向に舵を切っており、「自社主導」の迅速で柔軟な開発体制を整えだそうとしています。

しかし実際のところ、「エンジニア採用に苦労している」「国内の転職市場に良いエンジニアが出てこない」や、「採用コストが異常に高くなった」「単価高騰でコスト構造が崩れ出した」というような企業の声があちこちで聞こえることも事実です。

 

(社内×国内ポジショニング)

 

需給がバランスしておらず全体的にリソースが不足する中で、エンジニア人材は横の繋がり(ネットワーク)で流動しやすく、エンジニア認知・人気の高い一部の有名企業に優秀な人材が囲い込まれてしまっているのが実態なのかもしれません。

加えて、海外展開を先んじて始めるのは、そんなエンジニアリッチの企業ばかり。国内におけるエンジニア自社採用の行き詰まりを拭い去れず、今後も劇的な活路を見いだせないようであれば、「外」の戦略オプションも検討すべきではないでしょうか。

 

■ブラックボックス化された過去からの教訓

外の戦略オプションとして、次は「オフショア開発」を見ていきます。過去の痛い経験から、IT界隈には「オフショア開発は失敗する」という空気感がありますが、21世紀に生き続ける企業として「海外での開発活動」をとざしてしまってよいのでしょうか。

“従来”のオフショア開発は「海外に”安く”発注するための戦い」でした。国内の多重下請け構造が厳しくなる中で、コスト構造を合わせるためにオフショア開発を仕方なく利用した、が、上手くいかなかった、というのが主たるところかと思います。

ここでも国内のアウトソーシングと同じく「ブラックボックス化」「コミュニケーション不全」の問題に突き当たりました。アウトソーシングはブラックボックス化しやすく、尚さら海外であれば激しくブラックボックス化しやすくなります。

このような性質に対して、意識的な課題設定の上で十分な配慮をもって対応した事例はあまり見られません。また、「とにかく安く!」「1円でも安く!」というコストダウン徹底の意識があらゆることに先行することで、課題解決コストまでも「節約」して取り組んでしまった企業も少なくないはずです。

 

(海外×社外ポジショニング)

 

その結果、オフショア開発の黎明期~過渡期において、多くの日本企業が失敗体験を積み重ね、オフショアブームが過ぎ去った後にチャレンジャーが続かない期間が出来てしまいました。

開発体制の多国籍化に向けた歴史として、従来のオフショア開発(オフショアソーシング)は、アウトソーシング上の変数をさらに増やし続けた行為であったと言えるかもしれません。

 

■自社主導型「現地法人設立」の困難と制約

こうした過去の痛い教訓から学び、海外開発活動において自社で主導権(イニシアティブ)を持つべく、現地法人化を試みる企業も最近増えてきました。

現地法人設立は、自社側のコミットメントを強めることで、ブラックボックス化の抑制やコミュニケーションの円滑化、対応業務範囲の拡大等に向けたアプローチとなりえます。

一方、コネなし・土地勘なしだとそもそも厳しいこと、コスト構造上も小さく始めるのは難しいこと。進出先によっては一度設立してしまうと撤退が非常に困難であること。そして現地の管理業務に手間がかかりすぎること等々、困難や制約が山積みです。

そのため、本質的に取り組みたい「開発業務」「開発組織づくり」になかなか専念させてもらえません。「第一歩目」としての現地法人化は特にリスクヘッジが難しく、スモールスタートできない点で多くの企業の意思決定を難しくさせています。

 

(海外×社内ポジショニング)

 

■海外内製化スキームの新たな幕開け

Web旋風が吹き荒れる中、各社が【国内×内製化】を推し進める一方、「国内では採用しきれない」「コスト構造に限界を感じる」といったような企業の悩みが噴出しています。そうした環境下で、外の世界に活路を見出す企業も出てきました。

もちろん「国内-海外」と「社内-社外」の二軸、どこを見ても人材調達戦略に際する問題・課題は存在しています(以下参照)。

 

(人材調達戦略オプションごとの主な問題・課題)

 

成長戦略上の投資観点で自社オフショアに取り組み、現地の開発組織を粘り強くセットアップし、中長期視点で競争優位を築き上げていく企業こそが、日本企業によるIT人材調達のグローバル化を牽引していくのではないでしょうか。「海外に自社開発チームを育てる戦い」がいま始まろうとしています。

 

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(ネオラボの事業ポジショニング)

 

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ネオラボのサービスをもう少し知りたい方はこちら

 

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“米国式経営手法のアウトソーシングによって企業経営の最適化を目指し、多くの日本企業で「社外に委託するための戦い」が行われました。しかし「日米間の違い」が明暗を分けることになります。・・・”

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